【体験談】フリーランス1発目の案件がたった1ヶ月で離脱した話

2年間の準備期間を経て、やっとたどり着いた案件1発目での出来事と今後の対策

 

 

会社員時代に11年ほど開発現場で働いてきましたが、こんな経験は初めてでした。

この記事の後半に、今後同じことを繰り返さないように気をつけようと学習したことを書きましたので、是非参考にしていただければと思います。

 

離脱のきっかけになった出来事

 

 恋愛で例えるなら・・・今までは恋人と付き合うと2年以上は付き合ってたのに、はじめて1週間で別れた!こんなこともあるのか!という感覚でした。

プロジェクト参画から3週間目に、事件は起きました。
(1)電話:部長「私にこんなメールを送ってください」⇒ 私
(2)チャット:私「部長から指示が来たのでメールに情報載せて送っていいですか?」 ⇒ 社長
(3)チャット:社長「いいわけないだろ!そんなセキュリティ意識で仕事してるのか!もう仕事は与えられない!」 ⇒ 私

 

という展開になってしまったのです・・・。

 

プロジェクトに参画して1ヶ月も経ってない私は、
 ・これって自分が責められるの?
 ・指示した部長は社員だから守られるの?
 ・自分も不思議に思ったから社長に確認したのに・・
 ・何この会sh・・・
という思いになりました。

 

 もちろんこの出来事があってすぐに辞めたわけではなく、今後この内容を守るので許してくださいというセキュリティ対策を社長に提出したり、信頼回復のために色々やりましたが信頼は元に戻せませんでした。メールを送ってしまったわけではないのにね。

 ただ、実は、問題発生の翌日部長に呼ばれてこう言われたのです・・・

部長「今までもこういう展開になるとパワハラが始まって皆辞めていってるし、続けない方がいいかもしれないよ」と忠告してくれたのです。

社員の方もおかしいと思いながら働いているということなんですかね。小さい会社に所属している方は特に、しょっちゅうあることだわ!と思う方も少なくないと思いますが、これだけ理不尽に感じると結構きつかったです。

 

 

辞める直前の4日間の流れを時系列でご紹介していきます


(1)金曜日 :私・社長部長・他1メンバーが参加した6時間ぶっ通し会議
(2)土・日曜日:どうにか続けるために試行錯誤
(3)月曜日 :離脱日(最終日)

 

(1)金曜日(最終日前日、想定外の6時間会議・・・)
 辞める1営業日前の日です。この日私は、それまでに信頼回復のために作ってきた資料をもって「社長に業務復帰を了承してもらう目的」で会議室に入りました。

すると・・・会議室でトイレ休憩なしで6時間に及んだのです。あーいえばこういうで返され続けて、業務復帰どころか話が平行線のままで進展なく終わりました。こんなことは初めての経験で、N禁とかK禁というやつでしょうか。


(2)土・日曜日(どうにか続けるために、試行錯誤した2日間)
 私にも生活があるので稼がないといけないし、出来ることなら続けようと思い、続けようと思えるように色々なことを試しました。

 

① 本や動画を見た
 苦しいときを打開する方法、みたいなものを見たりしました。鴨頭嘉人(かもがしら よしひと)さんの動画は、日頃からお世話になってます。
www.youtube.com
この記事に直接関係ないですがこれも面白く、職場でリーダーやってる方にオススメです。
経営者モーニングセミナー 倫理法人会 講話 鴨頭嘉人 - YouTube


② 相談した
 ・エンジニア仲間
 ・所属しているエージェントの役員・営業
 ・人材派遣の仕事をしている友人
 ・身内
等に相談しましたが、まだ頑張った方が良いよ!という人は一人もいませんでした。


③ 気分転換した
 ・睡眠
 ・運動(打ちっぱなしやジム)
 ・街にお出かけ
 ・ゲーム
など、気分転換になりそうなことは何でもしました。

 

(3)月曜日 (最終日、もう無理です・・・)
 出社が近づく月曜日の早朝目が覚めたとき、心の病になりかけていることに気づきました。朝方、少しだけ寝れて起きたとき、
 ・会社でまたあの会議が待っているかも・・・
 ・また何かやらされるのでは・・・
という拒否反応が頭の中をグルグルして、出社することへの拒否反応が出るようになってしまったのです。

 この状態をあと1~2日でも続けたら、心がやられてしまって仕事ができなくなるかもしれない。わたしは「個人事業主」なので、鬱になって仕事ができなくなるのは絶対に避けなければなりません。人に迷惑をかける結果になろうが理由がどうあれ、自分を守る必要があります。これ以上ここにいては潰れてしまう・・・ということで見切りをつけてプロジェクトを離脱することを決意したのでした。月曜日の朝、いつも通り出社して、辞めることを告げて挨拶をしてお昼に退社したのでした。

 

それ以降、こういう出来事はなく、今では最大手外資企業の仕事をさせていただいています。(2021年5月 現在)

 

今後の対策


募集要項や商談(面談)では、今後以下のことを確認すべきと思いました。

 

「なぜエンジニアが必要になったのか?」を把握する

 簡単にいうと、「エンジニアが定着しない現場でないか」を確認することです。人員が必要になった理由として、「新規開発が発生してエンジニアが必要になった」という理由であれば問題ないと思います。問題ありかもケースは「保守の仕事だがエンジニアが必要になった」という場合、「嫌になって辞めた人がいるのかな」「エンジニアの出入りが多いのかな」という可能性があるので警戒が必要かもしれません。

 

中小零細企業またはプロジェクト規模が小さいのに条件(単金)が良い

 「保守などで大した仕事でないけど、儲かってる会社だから単金が高いラッキー案件なのかな」という考えは危険です。単金が高いからには何かしら理由があると思った方が良いと思います。

簡単なことではないですが、相手の気分を害さないように質問をして、ちゃんと見極めるべきだと思います。

会社員時代は「上司・役員の目や判断」が入るので、変な案件は避けられていただけだったんだだと思うべきだと思います。フリーランスは、どんな現場か全くわからないところに飛び込んでいくことになるので、自分で「案件を受けるべきなのかどうか」を自分ルールを作って見極めないといけないんだな、ということがわかりました。

 

 

会社が大事にしていることを把握する

 たとえば、セキュリティへの考え方についても会社ごとに異なるということが、痛いほどわかりました。極端なことを言うと、A社のセキュリティルールとB社のセキュリティルールは別物ということです。

 

セキュリティルール

 私の以前の現場では、ファイルにパスワードをかければ電子メールにファイル添付して送っていました。 しかし今回の現場では、無条件で電子メールにファイル添付して送ってはいけない。というルールでした。パスワードのかけ忘れがあり得るからということなのでしょうかね。ではどうやってファイルのやり取りをしていたかというと、ブラウザ上で使うファイル共有サービスを使っていました。これはこれで穴はあると思うのですが、この会社では過去にセキュリティ事故があり考えた結果このような運用に落ち着いたらしいです。

 

初めてお世話になる時確認すべきこと

 ・会社が何を大事に考えてるか
 ・やって良いことダメなこと
を知るために、リーダさんの話を聞いたり、システム開発でいうと要件定義書を読んだり、セキュリティ資料を頭に入れようとすれば、「うちの会社に合わせてやろうとしてくれてるな」「信頼できそうだな」と思ってもらえると思います。

 今の時代、セキュリティ問題は一番敏感です。問題が起きると、簡単に何百~何千万円の損失が発生します。「小さい会社だからセキュリティは厳しくないだろう」ということはもう有り得ないのです。むしろ小さい会社こそ、一度のセキュリティ事故の損失で会社は吹っ飛ぶます。セキュリティ事故を起こした時点で、契約打ち切りが世の中の常識と思うべきです。損害賠償を求められる可能性もあります。

 「そうは言っても、技術者必要でしょ?反省は必要だろうけど、反省すれば仕事に戻れるでしょ?」と思っている方がいるかもしれませんが、私たちフリーランスエンジニアは元々信用ゼロからのスタートなのです。0をまず1にしないといけないという意識が必要なんです。たとえ半年~1年続いていたとしてもそんな実績は一つの事故で簡単に吹っ飛びます。いくらでもいる代打に取って変わられるだけです。セキュリティ意識が低い人は、害でしかないんです。年を取った人を老害ということがありますが、それと同じ扱いです。

 

今までこうだったという自己流を抑える

 特に小さい会社さんは、過去のやり方を当たり前のようにやられることを嫌います。「今までの現場はこうだったから、こうやるのが当たり前だよね」と確認なしにやってしまうのはトラブルの元なので、すぐに止めるべきです。初めてお世話になる案件では、「何もしらない前提」「頭の中を空にして」「ルールを一つ一つ確認していく」ことが大事です。むしろ「この人はこんなことまで確認してくれるんだ」「丁寧に仕事をやる人なんだな」「これだけ確認してもらえるなら、一つ仕事を任せてみようかな」という風に思ってもらえるようにもっていくことが大事だと思います。セキュリティの話と同じで、「信頼ゼロの人が信頼を築いていく方法」であると思います。

 


個人で直接契約せずにエージェント会社を使うべき理由は、この記事に書きました。


別記事参照

www.freelance-tokyo.com

 


問題を起こしてしまうと以下のような「制裁」が待っています。
 ・契約に対する違約金(契約違反)
 ・損害賠償(情報漏洩、仕事を止めた)
エージェントを使わずフリーランスエンジニアが直接契約してしまうと、問題が起きて訴えられた場合に「弁護士を雇ったりして自分で戦わないといけない」「お金は全て自分で支払わなければいけない」となります。そんなことになったら、一発で借金生活です。


会社員だったら「減給」「始末書」「謝る」で済むでしょうが、個人事業主の責任の取り方は、お金になります。個人のあなたが耐えられるでしょうか。 「契約先の現場の会社のため」にも「自分を守るため」にもエージェントを使って契約すべきということです。

 

 

わたしの体験談いかがだったでしょうか。

ひとつでも皆さまのお仕事にお役立ていただければ幸いです。


以上です。

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